質問
正岡子規が喀血した自身を時鳥(ほととぎす)になぞらえ、 雅号を「子規」とつけたそうだが、 実際に「血を吐く時鳥」を詠んだ俳句はあるか.
回答
「血を染めて誓紙かく夜や時鳥」 岡本綺堂
上記の句が「血」と「時鳥」を含む(著作権保護期間を過ぎてますので転載OK). 子規が詠んだものは見つからず.
NDC
日本詩歌. 俳諧 (911.04)
参考文献
- 風信子著 『俳句と詩歌であるく鳥のくに』 文一総合出版, 2008年
- p.84「第3章 小鳥さざめく:時鳥」に「鳴いて血を吐く時鳥」の項目あり.
備考
「俳句と詩歌であるく鳥のくに」は、鳥に関する詩歌を調べるにはもってこいの一冊. 鳥の名前だけでなく、内容(例:時鳥→時つ鳥、名告る時鳥、鳴いて血を吐く時鳥等)で 細かく分類されているのが大きい. 巻末の索引も使いやすいし、ほとんどの鳥はカラー写真付きだし… あの、そろそろおなかいっぱいになってもいいですか.的な完璧な一冊.
余談ですが、よく耳にする「鳴いて血を吐くホトトギス」は 中国(蜀)の望帝杜宇の故事(こちらも同書に簡単な記載あり)に由来しています. 瀬口侑希さんの「不如帰」の歌詞に使われてるので耳にした人も多いと思いますが、 こちらの流れを用いた詩歌は(探した限り)ありませんでした.