Book3発売に際して、『1Q84』に関する雑誌記事を紹介してみる.
久々のベストセラーということもあり様々な雑誌が特集を組んだけれど、 中には「それ『1Q84』関係なくね?」ってのも結構あった. 単純に1984年にかこつけただけの記事とかね.
ここでは『1Q84』について直接言及した記事で、かつ面白いと思ったものを挙げた. 何かの参考になれば幸いです.
また、wikipedia『1Q84』の項に 「作品に言及したインタビュー記事」「書評等」の目があったため、そちらも一部転載しました.
村上春樹著『1Q84』に関する雑誌記事
- 飯塚恆雄 「村上春樹の「1Q84」と「イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ムーン」」
- 『音楽現代』Vol.39 No.8(2009年8月) p.87-89 芸術現代社
- 石原立教 「村上春樹の「1Q84」に登場した「シンフォニエッタ」の作曲家ヤナーチェクの人と作品」
- 『音楽現代』Vol.39 No.8(2009年8月) p.90-92 芸術現代社
- 是非読んで頂きたい記事. どちらも作中で登場する楽曲なのですが、 楽曲についての知識があると作品の印象ががらりと変わる. 記事自体も簡潔にまとまっていて非常に読み易い.
- 鈴村和成 「村上春樹の『1Q84』を行く -ハイパーシティー東京へ-」
- 『文學界』Vol.64 No.2(2010年2月) p.144-167 文藝春秋
- 高速道路や公衆電話など、作中に登場する場所の写真が4点載っている. 作品を読んでいるときに実際の風景が浮かぶというのはリアリティがあり、 そのイメージを喚起する素材として、この記事は大きな価値があると思う.
- 亀山郁夫 「神の夢、または『1Q84』のドストエフスキー」
- 『新潮45』Vol.28 No.8(2009年8月) p.38-45 新潮社
- 著者は4年ほど前にばか売れした光文社古典新訳文庫『カラマーゾフの兄弟』の訳者. 春樹自身が「これまでの人生で巡り会ったもっとも重要な本」3冊として 『カラマーゾフの兄弟』を挙げてたのでこの人選なのかな(残りは『グレート・ギャツビー』『ロング・グッドバイ』). 読み手個人の解釈を綴った記事の中ではいちばん面白かった.
- 安藤礼二 「王国の到来 村上春樹『1Q84』
- 『新潮』Vol.106 No.9(2009年9月) p.188-203 新潮社
- 『1Q84』と過去の村上作品の関連性を扱った記事. 本作と『羊をめぐる冒険』の「羊の描く王国」、 及び『アンダーグラウンド』の「宗教団体の持つ恐怖」の関連性についての考察です. もう少し他の作品について言及して欲しかった気もしますが、 過去の村上作品が好きな人はこうした解釈もありかな、という記事です.
作品に言及したインタビュー記事
※引用元:1Q84 -Wikipedia,http://ja.wikipedia.org/wiki/1Q84,2010年4月14日
- 「『1Q84』への30年」
- 『読売新聞』 (上)2009.6.16 (中)2009.6.17 (下)2009.6.18
- 「僕の小説は、混沌とした時代に求められる」
- 『クーリエ ジャポン』 2009年7月号
- エル・パイス紙(スペイン)のヘスス・ルイス・マンテイーリャ記者によるインタビューの村上公認日本語訳
- 「僕にとっての<世界文学>そして<世界>」
- 『毎日新聞』 2008年5月12日
- 「物語は世界共通言語」
- 『信濃毎日新聞』 2008年3月30日
- 「村上春樹 「成長」を目指して、成しつづけて ―聞き手―古川日出男」
- 『モンキービジネス』 2009 Spring vol.5 対話号
書評等(ウェブで読めるもの)
※引用元:1Q84 -Wikipedia,http://ja.wikipedia.org/wiki/1Q84,2010年4月14日
※2010年4月14日アクセス
- 鴻巣友季子 「『根源悪』を追究 何かが変わった」
- 『朝日新聞』 2009年6月7日
- 小野正嗣、福岡伸一 「存在内部の空白を埋める愛/遺伝子支配に対抗する均衡」
- 『読売新聞』 2009年6月8日
- 沼野充義 「精緻に作られたパラレル・ワールド」
- 『毎日新聞』 2009年6月14日
- 河合祥一郎 「強く想うことがリアル生む」
- 『産経新聞』 2009年6月14日