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最優秀小説賞

ヴァージニア・ウルフ著 『灯台へ』

今年は冊数を読まなかった事もあり正直話が面白かったという本には巡り会えなかったのだけど、 年間通して読んだ本の中でいちばん印象に残ったのがこれ.

モダニズム文学と言えばウルフ、ウルフと言えばモダニズム文学.
この時点でお察しのように話自体は難解なのだけれど、とにかく文体が綺麗. 翻訳家の良い仕事もあり、内容はともあれ文は読んでいて気持ちが良い.

ストーリーを直接描くのではなく、その周囲を綿密に描く事で間接的に表現しようとする手法は 最近の村上春樹作品にも見られるし好きなスタイルなんだけど、その分物語の本筋は把握し辛くなる. 本作読了時もどちらかというと小説を読み終えた、と言うより絵画を見た時に近い感情を覚えた.

まあ、きっと本作を読み解くには自身の感受性がまだ乏し過ぎるんだろうね. いつかもう一度読み返したいとは思っている.

最優秀コミック賞

三宅大志著 『ろんぐらいだぁす！』

萌え漫画の皮を被った、正統派ロードバイク作品.

担当曰く「作者が体張ってる度では日本で3本の指に入る」作品というだけあって、 描写的にも体験談的にもとにかくリアル. 近年自転車漫画がブームになってるけど、走りすぎると口の中に血の味がする事を教えてくれたり、 サイコンのマグネットセンサーまで書き込んでたりする作品なんてこれぐらいのもの. 自転車女子・亜美ちゃんが魅せます!!マッタリ楽しくロングライドしましょ♪ なんて公式がのたまってるけど、折りたたみ自転車で裏大垂水峠を制覇できるドジっ娘初心者なんていない.

惜しむらくはちょくちょく挟まれる萌え描写（こちらも妙にリアル）のせいで万人に勧められない点、 お色気要素はロードバイクに不要と思うんだけどなあ.

最優秀映画賞

ガイ・リッチー監督 『Lock, Stock and Two Smoking Barrels』

バッカーノ！OPの元ネタでおなじみ、「SNACH」のガイ・リッチー監督のデビュー作.

「麻薬」と「銃」をめぐる群像劇なんだけど話の畳み方が秀逸、 微妙に絡み合った個々の話をラスト30分で一気にまとめる脚本は見事の一言. また、畳み方も然る事ながら群像劇の個々の出来の良さも素晴らしい. ここまで全員の登場人物をバランス良く、魅力的に描いた作品は他に類を見ない. 銃と麻薬でお察しの通りバイオレンス満載だしばんばん死者はでるしでなにかと人を選ぶ作品だけど、 そのあたりに抵抗の無い人には是非お勧めしたい名作.

最優秀俳優賞

シャーロット・ケイト・フォックス

「好きな言葉は「ぼちぼちでんな」　マッサン妻、発音完璧 -朝日新聞デジタル」
http://www.asahi.com/articles/ASH126X8QH12PTFC007.html, 2015/1/8アクセス

役者名だけ聞くと誰？と言う感じだけど、マッサンのエリーといえばほぼ伝わるのでなかろうか.

肝心の連ドラの方はマッサンが安定してクズなので、最近はもっぱら彼女を愛でるために見ている. このところは（劇中で）日本語も上達し、 マッサンに「どあほう」「うつわがちいさい」等々視聴者の声をどんどん代弁してくれるので 一緒にニートに駄目出しをするシンクロニシティを感じたい人や、 はたまた金髪美女と叱られたいといった特殊な方は是非ドラマの方を見て頂きたい.

最優秀音楽賞

『交響詩　逆転』

今年総集編が発売された「逆転裁判」シリーズの交響曲アレンジ.

全編通してとてもクオリティの高いアレンジなんだけど、 特に歴代の『追及』から『逆転』に繋がるメドレー部分は過去の名シーンがフラッシュバックしてカタルシスがやばい. これは是非総集編をプレイした後聴いてもらいたい. それにしても改めて通しでプレイして痛感したけど、逆転裁判三部作は本当に名作ですね. はやく続編でないかなあ.
オドロキ？誰だそれ.

最優秀ビジュアル賞

クリストファー・ノーラン監督 『インターステラー』

理論物理学者の監修を受けて科学的に計算されたブラックホールや事象の地平面の映像はSFファンには垂涎もの、 SFに興味があるなら一度は見ておくべき宇宙のプロモーションビデオ. おかげさまでこれからハヤカワSFを読むのがより一層楽しくなりそうです.

本編の方は初心者お断りの専門用語オンパレード、飲み物厳禁の上映時間169分、 宇宙船ドッキング時は画面酔い注意と何かとハードルの高い作品なので、 家庭用が出たらお気に入りのシーンだけのんびり観賞しようと思う.

最優秀アニメ賞

矢立肇原作 『Cowboy Bebop』

知る人ぞ知るスペースオペラの金字塔. 作品自体は学生時代にリアルタイムで見てどはまりしてたんだけど、 ホームシアターを導入した折りに改めて5.1chで観賞しなおしたら再びはまってしまった.

抑々が映画っぽいつくりをされていた作品だけあって、5.1chとの相性は抜群. 菅野よう子の手がける良質なジャズや迫力ある宇宙船のエンジン音などが、作品の魅力を一層引き立ててくれる. 作品の素晴らしさについては散々語り尽くされているのでいまさら何かを書こうとは思わないんだけど、 何年経っても楽しめる作品に出会えた事を嬉しく思います.

そして何故か今頃になってサイクルジャージが発売された模様. 今時15年前のアニメの痛ジャージとか誰得だよ俺得です本当にありがとうございます.

最優秀ゲーム賞

CAPCOM. 『Monster Hunter 4G』

P3を最後にプラットフォームがPSPから離れたためハンター業も一時休業してたんだけど、4で知人に誘われ復帰. 前ほど熱心ではないにせよ次々にクエストが配信されるので、 何だかんだでカラオケに籠ったりオンラインで集まったりとわいわいやってる.

あと今年きちんとやったなーと言えるゲームは逆転裁判123と昨年に引き続きパズドラ. 薦められて艦これ・モバマス・黒ウィズあたりもやってみたんだけど、どれも一ヶ月ほどで飽きた. 勿論慣れもあるんだろうけれど、ほぼ同じシステムで何年も飽きさせないって凄い事だと思うよ.

最優秀MAD動画賞

ストラビンスP 『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権 -765プロのみなさんのおかげです』

毎年恒例アイマス枠、今年はMAD部門での選出.

元ネタはとんねるずのあれなんだけど、それプラス相当の知識が要求されるほどネタが豊富. アイマスは勿論とんねるずの元番組、果てには中の人関連など、知れば知るほど楽しめる飽きのこない動画.

過去の私的芸術大賞

13年私的芸術大賞　まとめPostted:2013/12/30 [Mon]

12年私的芸術大賞　まとめPostted:2012/12/30 [Sun]

11年私的芸術大賞　まとめPostted:2011/12/30 [Fri]

10年私的芸術大賞　まとめPostted:2010/12/30 [Thu]

09年私的芸術大賞　まとめPostted:2009/12/30 [Wed]

08年私的芸術大賞　まとめPostted:2008/12/30 [Tue]