以前から自分がラスボスだラスボスだと勝手に騒いでいる、都内ローディの聖地【ヤビツ峠】.
貧脚をプロテインと俄知識で補い何とか峠をクリアしている僕が集めた情報によると、 そこには【蓑毛坂】【丸坂】【神社坂】という強力な門番が立ちはだかっており、 特に最初に現れる【蓑毛坂】はその外観と斜度により好奇心に駆られ訪れた初心者ローディを 無慈悲に叩きのめすと専らの評判です.
そこで蓑毛坂対策として思いついたのが、前以て似た様な坂を登って耐性をつける
というもの.
チームメイトに話を聞くとどうやら山伏峠(山梨県)後半の直線が斜度・距離共に蓑毛坂にかなり近しいとの事.
そんなわけで来る決戦に向け、道志みちを抜け山伏峠に挑んでみました.
山伏峠は津久井湖から山中湖へ抜ける道の最後に位置し、 その津久井湖から山中湖へ抜ける道が以前裏ヤビツに挑む際にちょろっと通った道志みちです.
スプリンター?クライマー?脚質のはなし
突然ですが『弱虫ペダル』等で御覧になった人も多いと思われますが、 ロードレースの世界では平坦が得意な選手を【スプリンター】、登りが得意な選手を【クライマー】、 そしてどちらもできる選手を【オールラウンダー】と大雑把に分類しています. (他にも【ルーラー】【パンチャー】等ありますがここでは割愛)
僕はどちらが得意と聞かれたら自信を持って『どちらも苦手』と言い切れる貧脚の持ち主ですが、 周囲を見る限り速攻で千切られる平坦より登りの方がまだ多少は「まし」な模様.
とは言えそれもだらだら坂と称されるような一定の斜度が淡々と続く登り限定の話で、 筋力が要求される激坂や斜度に変化があるような坂は筋力を使い切ると 一気に速度が落ちてしまうためやはり苦手な分野となります.
豚汁目指して道志みち、ゴールで河童がお出迎え
閑話休題.
道志みちは途中幾つかキツい坂はあるもののその距離も短く、 それ以外は信号も無く景観も良い2-3%程度の緩やかな登りがずーっと続いています. 下り苦手、平坦遅い、登りはまだまし激坂嫌いという僕のような クレーマークライマーにとっては貴重なかなり好みなタイプの道です.
車幅が狭い区間があるのと多少交通量―特にツーリング目的のライダーが多いのがネックですが、 それを除けば道もそこそこ綺麗で走りやすい良いコースです. コンビニや自販機が点在しており休憩しやすいのもGood.
そんなこんなで無事第一エイド、道の駅どうしに到着. この日は天候に恵まれた土日という事もあり駐車場はドライブ客でぎっしり.
名物の豚串と豚汁で栄養補給. ちょっとしょっぱめですが、消費したミネラルが身体に染み込むようでとても美味しいです.
見た目は普通だけど、登ると結構凄いんです
道の駅で栄養を補給した所で、いよいよ今回のメインイベントである山伏峠に挑みます.
峠全体でみると道の駅から距離8.7kmで獲得標高410m・平均斜度は5%程度と、 一見すると楽勝ではないですがなんとか登れるかな、と言ったレベルに思えますがここには数字のからくりが.
実はこの山伏峠、前半と後半で大きく斜度が変わり、 特に今回仮想蓑毛として挑もうとしている7km付近の直線坂三連発は平均斜度にして10%を超えます. 激坂区間に至るまでの3-4%のゆるやかな坂をうまくいなしつつ、如何に体力を残すかがカギとなりそうです.
とか言ってたけどごめん無理だこれ.
抑々坂をいなして、なんてのはその坂を楽勝でクリアできる登坂能力があって初めてできる芸当であって、 貧脚な自分がそんな事を考える事自体が烏滸がましいと気付いたのですが後の祭り.
直線坂を曲がった直後にまた同じくらいの坂が現れた時は豚汁吹いて倒れそうになりましたが、 とにかく心拍を上げないよう、ケイデンスを調整してゆるゆるゆるゆる走って行った結果…
無事、足つきなしで山伏峠制圧!
とは言えクリアこそしたもののGarmin connectのログを見ると 激坂の最後は心拍170・速度は8kmと満身創痍. もしあと数キロ登りが長かったら、と思わせるまさに薄氷の勝利だったことがわかります.
富士山の麓をポタリング、Reel Cafeでお昼ごはん
トンネルを抜けるとあとは山中湖まで一気のダウンヒル、幸い天候にも恵まれ美しい富士山と御対面. 写真とかで何度も見ている光景なんだけど、やっぱり自分の眼で見るとその迫力に圧倒されます.
折角来たので山中湖をぐるっと一周、湖北側に走るサイクリングロードからは富士山が一望できまさに絶景.
途中湖麺屋Reel Cafeでお昼ごはん、もう帰るだけだし(フラグ)とカルボナーラをぺろり. レーパンでお洒落なカフェとか場違い過ぎてアウェイ感半端なかったのですが、パスタはとても美味しかったです.
往路の下り=復路の??
と、残りは消化試合なつもりでいたのですが、誤算だったのは往路で下りがかなりあったという事. 休憩タイムだヒャッハーと失念していましたが、行きの下りは当然帰りの登り. 先ず、あれこんなに下ったっけなあと不思議に思うくらい山中湖からの登りがきつい.
誰だよもう帰るだけとか言ったの、ぱ、パスタ出ちゃうよ.
何とか山伏峠迄戻ってきたは良いものの、往路で下った坂が次々とフラッシュバック. あれ登って帰るのか―とこれからの復路を思い出しげんなり、 なんかヤバいつづら折れの坂で脚がもげそうになりながら何とか帰宅いたしました.
教訓:ローディは腹八分目、おうちに帰るまでがツーリング
今回のルートはこんな感じ.
山伏峠を含めると難易度があがるけれど、道の駅までなら距離・斜度共に日常のポタリングにちょうど良い.
これからの時期は紅葉も楽しめるし、次は是非平日に行ってみたいと思わせるコースでした.