この所は隙間時間を見つけては近隣のコースガイドを眺めては あーでもないこーでもないと鷺沢さんとのデートコース探し、 基妄想ポタリングに耽っているのですが、 複数のガイドによるとどうやら相模の奥地・宮ケ瀬の湖畔には「オギノパン」たる美味なるものがあるらしい. 途中適度なアップダウンもあり、カロリーを消費した後湖畔を眺めつつ食べる揚げパンは絶品だとか.
そんなこんなで今回は道志みちから宮ケ瀬湖に抜け、 湖畔を走った後に揚げパンでも食べて帰ろうというゆるふわグルメポタリングを企画. 参加メンバーはlugさん、rasepandaさん、自分の3人.
413号線のコンビニで集合、lugさんはMERIDA SCRTURA 400. rasepandaさんはTREK 2.1 H2(たぶん2012年モデル). 各種カロリーを補給し、そのまま413号線を城山ダムに方面へゴー.
貧脚ノ心得 ヒルクライマー、教育します
津久井湖に出るまでは車通りも多く路面もあまり良くないので安全運転、 無理にトレインを組むことなく車間距離を取って走ります. 三ケ木(みかげ)の交差点を曲がり、今回の前菜道志みちへ.
道志みちに入ると、いきなり結構な斜度の坂がお出迎え. 車は少なくなるものの道幅は狭く落石や枯れ木などもあり、なかなかに手強いコースです. こうした道を重いギアで登る練習をすれば持久力や筋力も付くのでしょうが、貧脚な僕は迷いなくインナーローを解放. 極力力を抜いてだらだら登ります. 道志みちを途中で外れて、宮ケ瀬湖に抜ける64号線へ.
因みにrasepandaさんは車種からお察しの通りいちばんの経験者、 ガチで踏まれるとあっという間に背中が小さくなります. しかし経験者に無理してついていくとあっという間に脚ぷるぷる生まれたての小鹿状態になるのは前回のライドで経験済み、 ここは心を鬼にし鋼の意思でマイペースを貫きます.
道志みちを外れてからの方が斜度が上がった気がしますが何とかクリアし麓のコンビニで補給、アイスうめえ. ふだん甘いものは苦手な方なんですが、ロード乗ってると食べられる不思議.
コンビニからちょっと進むと無事宮ケ瀬湖に到着、さああとは西側から湖に沿ってすすめばオギノパンにたどり着くはず… あれ、何やら標識に不穏な文字が. まあ獲得標高が300mを超えるルートは脳内フィルタで自動的に除外される僕には何も見えませんが.
「これ右に曲がると裏だけどヤビツ峠ですよ、行ってみません?」
『やびつはあぶないからちかづいちゃいけないってばっちゃがいってた』
「そうそう、今日はゆるふわライドですよお」
「入口までだから、取り敢えず入口まで見て帰ろう」
こんな貧脚プロテインジャンキーが口に出すのも烏滸がましいのですが、今年の目標は何を隠そうヤビツ峠登頂. まだ時期尚早とはいえ、その雰囲気の一端でも味わってみたい気持ちは正直無くもありません.
『どうしよう』
「まあ、入口までならいいんじゃないですかね」
「じゃあこっちだよ」
インナー・ローをもう一度
軽い好奇心で綺麗な橋を渡りうっかり魔界に足を踏み入れたのが運の尽き、 行けど暮らせど入口らしきものは見えてきません. 気が付けば周りは完全に林道に、入口の目印を探すも時たま「あと20数km」という距離だけが記された標識が現れるのみ.
「入口遠いですね、あとどれくらいですか」
『今更聞くのもあれですが、抑々入口の目印ってなんなんですか」
「いやー、渓流が綺麗だね. そこ湧水で濡れているから気を付けて」
『!?』
「今さりげなく質問スルーしましたよね!入口は?入口はどこ?」
気付けばlugさんの術中にはまり、いつの間にか裏とは言えヤビツの登坂に巻き込まれていた模様. そうなると俄然「あと20km」という謎の標識が恐怖を煽ります.
「もしかしてあと20kmって山頂までの距離じゃないですかいやそうに決まってる」
「大丈夫大丈夫、そこまで距離はないから」
『ああもうだめだ誰も信じられない』
「もうここまで来たら折り返すのもゴールまで行くのも一緒ですよ」
「そういって私達に20kmの坂道を登らせる気でしょう?エロ同人みたいに!」
『エロ同人みたいに!』
「しねーよ. とっとと登れ!」
なんて不毛なやりとりをしている間に帰還不能点を超えてしまったようで. ここまでは軽口を叩きながら併走する余裕もありましたが、札掛橋を越えたが最後、本格的な峠が牙を剥きます.
天候も急変、ぽつぽつだった雨も本降りに.泥を避けつつ黙々とインナーローでクランクを回します.
喫茶店らしき建物を通り過ぎたあたりから斜度がもうワンランクアップ、ぐぎぎ、誰だこの坂作ったやつは.
因みにこの激坂の横には「ヤビアン」の愛称で親しまれるとても美味しい湧水があるのですが、
今ロードを降りてそんな名水を被った日にはあまりの気持ち良さにヘブン状態→そのままUターンとなる事は
火を見るより明らかなので、断腸の思いで頂上へ向けペダルを回します.
しかし、何故30過ぎのおっさんがこんな山腹で苦痛に塗れクランクを回せねばならぬのか.責任者はどこだ.
ヤビアンポイントを抜け、さらにきつめの坂を上りきると右手に見慣れた建物が.遠くに見えるもの、あれは.
と、いうわけでなんとか脚つきなしで裏ヤビツ峠制覇!!
都内のローディに知らないものは居ないとまで名を馳せているヤビツ峠ですが、 表はさておき裏はタイムを気にしなければ僕みたいな初心者でも休憩・脚つきなしで登れるレベル. それでいて本格的な峠の雰囲気は味わえるし、有名ポイントで撮影できるご褒美もありとかなりお得な峠じゃないでしょうか.
坂の上で貧脚は何杯牛乳が飲めるか?
さて、峠制覇のあとはダウンヒルタイム.
なんですが、抑々あまりダウンヒルが好きではないのに加え、この日は路面も濡れているしリムやブレーキも泥汚れが酷いと
コンディション的にもよろしくない状況なのでなるべくのんびり下る.
なお車載カメラのS60先生は雨が強くなってきたのでここでおやすみ、ここから先は基本記念撮影のみとなります.
宮ケ瀬湖まで戻ってきたところで、そろそろ昼食にしようという話に. これだけ走ったんだし何か肉々しいものが食いたい、ということで急遽目的地をオギノパンから服部牧場へ変更. 搾りたての牛乳とドイツ風ホットドックを求め、最後の激坂を登ります.
こんなうまい牛乳、おれ生まれてこのカタ...飲んだことが!ねーーーぜぇーーーッ!!
5時間峠をうろついて初めて飲む牛乳っつーかよぉーっ(事実
だめだ美味し過ぎる今日はこのままロード置いて牛舎で寝てもいいから、 ビール飲んでしこたま食べたくなるほど絶品なドイツ風ホットドック. ソーセージは絹挽きと粗挽きの二種類で今回はお勧めの絹挽きをチョイス.
そんなこんなで胃袋を満たした後はオギノパンを横目に相模原IC方向へ抜けて帰宅. 総距離80kmに峠ひとつ追加と当初の予定より若干距離は伸びたけれど道中大きなトラブルもなく、 無事完走できればみんな優勝が合言葉のゆるふわポタリング的には満足いくライドに. また、裏とはいえヤビツの下見ができたのは今年の目標に向けて大きく資するものがありました. この結果に慢心する事なく、今後もちまちま尾根幹や近くの峠で経験値を稼いで来たるべき決戦に備えようと思います.
おまけ
鷺沢さんのアフターメンテ.
取り敢えずシートポストを外して水抜き、リムはジフで全清掃した他細部の部品も可能な限り外して吹き上げました.
その後ブレーキシューを新品に取り換え、フレーム内部にラスペネ吹き直して完了.
クロモリは雨降ると大変だね.